コミケ78/ムスメラウンジ

コミケ初参加の感想

・サークル入場+評論ブース売り子というゆとり仕様なのに溶けるほど疲れた
・10時の開始、16時の終了の拍手はちょっと感動した
・東2のブースに待機していたが、開始直後にスタッフに率いられ万歳しながら堂々と行進する大手サークルエロ同人誌目当ての猛者たちの姿に拍手、謎の感動タグが頭の中の映像に貼られたが、よくよく考えてみると彼らは徹夜組のルール違反者なのかなと思ってちょっとしらける
・「新刊」の字を「新刑」に書き間違えたあと書き直し中に再び値段700円を500円に書き間違える使えなさ
・昼ごろ初めてお釣りを渡す際にいきなり引き算を間違える怒涛の使えなさ
・11時頃「thoria 恋愛ゲームシナリオライター論集」をふらっと買いに行くと売り切れ 自分の認識の甘さに絶望
・初めての「完売」直面でヤル気を失い売り場へ戻る 戦場ではめげずに次に並ばなければならないらしい これが甘さか
・買ってくれる人は顔を見ればわかるというのは本当だった
・評論ブースですら暑くて暑くて腐りそうだったが、エロ系の島に近づくと評論ブースの暑さ2倍臭さ5倍人口密度3倍、肉の壁による物理的障壁および心理的障壁に遮られついに足を踏み入れることが出来なかった 
・というわけで本当の戦場を体験することは残念ながらできなかった
・朝から並び続けてあそこで戦える人々のメンタリティに対して心の底から尊敬した
・16時に「終わった・・・」と思ったら束の間、在庫を文字通り手で抱えて(キャリーケース無かった)ヤマト列に並ぶという最後の戦いが待っていた


ヤマトに無事在庫を預けたあと、疲弊しきってムスメラウンジhttp://d.hatena.ne.jp/musumelounge/のメンバーと新宿でお疲れ会。
ネットでは知っていたが初めて会った方も何人か居て、非常に新鮮だった。
僕は個人的にアイドル現場で馴れ合い集団で行動する人々が大嫌いなので、今まで出来るだけ一人で参加するようにしていた。ヲタ友も居なかった。しかし、斧屋さん(id:onoya)と知り合い、ムスメラウンジの執筆陣に誘われてから、アイドルに対して様々な角度で関心をもつ方々と出会った。
例えばお疲れ会でももいろクローバーが話題に上がったとき、彼女たちに対する反応が象徴的だった。
Imamuさん(id:Imamu)が「かつてのB級アイドルの要素をこれでもかというほど上手に散りばめ、「作られたB級アイドル」をあえて実力のある子たちに演じさせる。その”完璧さ”が面白くない」と非常に鋭い指摘を飛ばす。
するとアイドル事務所の事情に詳しいいぬいぬさん(id:helloblog)が、それに同意しつつスターダストプロモーションの特徴を挙げながら説明を加える。
そして、その2人の指摘には同意するものの、それを踏まえた上で「でも!ももクロちゃんは!明るくて、可愛くて、踊りが上手い!!」と、半分わけが分からなくなりつつももクロちゃんのパフォーマンスの素晴らしさを力説する僕と斧屋さん。しかし斧屋さんは僕とは違い、アイドルのファン層について社会学的な目線で興味を持っている。僕もその点に関して興味はあるものの、社会学的な目線ではなく、どの層のファンをターゲットとするのか、ファンではなくアイドルそのものの「地下」と「メジャー」の境界線に興味がある。
最後に、エレンさん(id:eal)はそもそもももクロちゃんに興味はないようでずっと黙っていた。これもまた面白い。エレンさんは他の興味のある話題では、鋭く直感的でピンポイントな問題提起によって場を盛り上げる。


このように、まったく価値観の異なる人々が、「アイドル」という対象を様々な形に切取り、一つの同人誌に論考を寄せる。ムスメラウンジの新刊は、多様性に満ちていて、一見バラバラのことを各執筆陣がバラバラに書いているようで、それでいて通読すると「アイドル」という対象が一つの像を結び浮かび上がってくる。自画自賛で本当に申し訳ないが、とてもいい同人誌になったと思う。

ムスメラウンジの方々、コミケ78に参加した皆様、お疲れ様でした。買ってくださった方、ありがとうございました。