多幸感・AKBINGOを考える

憲法の講義が呪文にしか聞こえず泣きそうになってからはや30分、しかしまだ授業残り時間は1時間ほどというところで友人から暇だ講堂出てこいとメール着信、5秒で荷物をまとめ退散する。


食堂でうどんをごちそうになり、5限のテレビ番組研究の授業を終えて彼の家に向かう。しかし皆ニュースだのドキュメンタリーだのを選択しつまらないのでスポーツ生中継かバラエティを提案し結局自分はサッカー日本代表戦について研究することになったのだが、大きな声でAKBINGOやります!!!」」と言えばよかったとやや後悔。


友人の家へ向かう途中、夕食を食べる店を探している最中にKFCを発見、即決定。
しかしKFCの多幸感は凄い。12月になったばかりだというのに店内にはサンタが街にやってくるが流れている。思えばKFCに最後に来たのは1年前のこの時期だったかもしれない。KFC=クリスマス=幸せ というイメージ戦略が定着しているのは見事だ。少々欲張り気味なセットメニューにビスケットをつければ軽く1000円はoverしてしまうが、ついついそれくらいの量を頼んでしまう。
幼い頃に家族みんなでKFCのクリスマスセットを囲み皆笑顔でパーティーを楽しんでいる記憶をレジの前で思い出しながら多幸感に浸っていたのだが、よくよく考えてみると我が家でクリスマスにKFCのパーティーボックスを購入したことなどおそらく一度もないのである。KFCに対する一般的なイメージが偽の記憶として定着しかかっている。改めてKFCの戦略の成功具合に感心。


その後深夜になって友人と2人でAKBINGOを視聴し、イメージ戦略・メディア戦略について考える。
峯岸みなみがノースリーブスの新曲発売イベントでバク転を成功させるために練習し、結局本番までにマスターすることはできずコーチの池谷氏からストップがかかるものの、幕の向こう側からのファンの声援に思わず泣きだす峯岸に対し、池谷は補助付きという条件でチャレンジ許可を出し、本番で池谷に助けられつつバク転に成功するという話。
AKBにおける、裏側を見せること・ファンとの距離感といった話は散々語りつくされているのでここでは指摘しないが、個人的には今後のイベント・ライブでこの歌を歌うときは毎回池谷氏が舞台袖にスタンバイ→クラウチングスタートの姿勢から素早く峯岸の下へ→バク転→池谷中腰のまま素早く舞台袖へという一連の動作を毎回やるっていうのは逆に面白いんじゃないかなんて思った。お約束の池谷氏。


一緒に見ていた友人はアイドル全般に興味が薄く、女性芸能人に対し辛辣な意見を述べることが多いのだが、彼がAKBINGOに対して発言した内容は、こいつは可愛いだのこっちはどこにでもいる顔だのといったAKBメンバーのルックス評価、峯岸みなみの挑戦に対して「お涙ちょうだいかよはいはい」といったものであった。


AKBはハロプロに比べ非オタクの一般的な中高生層や女子の間で人気が高いとされ、おそらくそのような傾向は事実だと思われる。しかし非オタクの僕の友人のAKBに対する評価はルックスが第一であり、この見方が非オタクのアイドルに対する目線として一般的なものであるのならば、はっきり言ってAKBメンバーのルックスレベルは平均してそこまで高いものではない*1ため、AKBに非オタクのファンが多いことに対し一見矛盾が生じるように思われる。AKBの特徴としては、今回のAKBINGOでこじはるが「粉かぶった方がおいしかった」と発言したように、芸人的なコメディー面での面白さも評価が高いが、一般的な(いわゆる非オタクの)中高生は面白さとルックスのどちらに惹かれてAKBのファンになるのだろうか。

というのもアイドルオタク的な視点からすると、AKBINGOの面白さというのは、ショージキ将棋に代表されるようにAKBメンバーのキャラクターが露わになり(その点ではバットボーイズの役割が大きく重要となる)、オタクたちの間で各メンバーをネタ化し消費するための新たな面あるいはお決まりの面が見れるということである。たとえば高橋みなみのオヤジギャクであり、宮崎美穂下剋上であり、秋元才加の男気(あるいは乙女心)である。


それともオタクを特別視するのは間違っていて、AKBファンの中高生たちはオタク非オタク関係なく上に述べたような楽しみ方をしているのだろうか。個人的には少なくとも「○○可愛い!!」*2と連呼する女子中高生のAKBファンと男子中高生の間には「アイドルを好きになること」、アイドルに対する関わり方には違いがあると思うのだが。


自分がアイドルオタクなのは認めざるを得ないとおもっている僕は、ルックス的にはそこまでタイプではないが松井珠理奈が好きで「松井珠理奈が可愛すぎて「じゅりにゃゃゃゃあああゃゃあっぁやぁや〜〜!」と○○度も叫びたくなる件」スレッドをついチェックしてしまうし、貧乏な嗣永桃子を想像し、マネティに説教している真野ちゃんを想像しニヤニヤしてしまうのだ。そんな多幸感。*3

*1:アンチ的な観点ではなく客観的にみてそう思うのだがとかいうと客観的ってなんだみたいな話になって面倒だから深い話はしないことにする

*2:ミッキーあるいはひこにゃん(たとえが古いかもしれない)が可愛いのと同じ理由なのだろうか

*3:全然うまくまとまらなくて残念である