亀は意外と速く泳ぐ

コメディ映画が見たかったので、個人的に好感度急上昇中の上野樹里主演、「亀は意外と速く泳ぐ」を見た。


上野樹里演ずる平凡な主婦が、ある日をきっかけにスパイ活動を始めることになり、平凡な日常を「スパイ活動の一環」として演じながら過ごすことになる。しかしその平凡なはずの日常が、次第に・・・というストーリー。


上野樹里以外の登場人物は、ヤンキー蒼井優温水洋一氏を始めとして皆過度にエキセントリックな役作りで、過度な演出による喜劇シーンが連続する。
とくに親友役の蒼井優「扇谷クジャク」役は強烈で、「片倉スズメ」役の上野樹里との対比を際だたせるために物凄いキャラクターに仕上げられている。
特典映像の監督解説では、「ハレの雰囲気がある蒼井優と、実直な雰囲気の上野樹里の対比が面白い」と言っていたが、撮影から5年たった今見ると、蒼井優上野樹里のイメージが逆転しているということもあり、そこが逆に面白かった。


一つ一つの場面は結構面白かったり全く面白くなかったりするのだが、それらの主人公の周りの演技が上野樹里「はぁ・・・」「えーっ・・・」の薄ーいツッコミで消化されていくのが最初から最後まで可笑しくて仕方が無くて、やはり上野樹里は素晴らしい女優さんだなぁと。コメディシーンは岩松了氏の絶妙の動き・タイミングが光っていた。


とにかく「平凡と奇抜」というのが一貫したテーマのひとつなのだが、そもそも「平凡」に設定されている上野樹里のキャラクター及び映画内の役が実は全然平凡ではないところがひとつズレていて、そのズレ具合は意図的なのかどうか全く定かではないが、そこが面白いと思えた。
平凡は難しい、と上野樹里は悩むのだが、そもそもこの映画に平凡な人物は一人も出てこないわけで、そもそも映画というのは演技なので「平凡」というのは難しいわけで、そもそも「平凡」ってなんだろね、・・・とかなんとか考えるのはあまり得策ではなく、素直に上野樹里の可愛さと反応の面白さを享受するべき映画なのだろう。


ストーリーはまぁそんなにいうこともないし重要でもないので、特にコメントなし。


まとめると、上野樹里蒼井優もとても可愛かったし大満足です。おわり。